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【北米版BDレビュー】UN-GO(アンゴ)

北米版ブルーレイ
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今回はUN-GO(アンゴ)の紹介になります。
作品の内容を知らない私にとって、正直このパッケージというかキャラデザはとっつきにくいものでした。

結城新十郎

パッケージの裏にあった主人公と思わしき人物を見た時、彼を思い浮かべました。

海馬 瀬人
©高橋和希 スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・NAS

顎とがりすぎです。

しかしそんな事は気にならなくなるぐらい面白い作品でした。
私のようにくだらない偏見を持たずにぜひ見て下さい。

あと物語の理解を早くするために、あえてDisc2に収録されているepisode:0 因果論から見るのもアリかなと思います。
タイトルの通り本編の前日譚で、主人公である結城新十郎の内面とそのパートナーである因果と呼ばれるものが何者かが知る事ができます。
それにより本編での彼の言動も説得力が増して面白くなりますし、因果の存在も受け入れやすくなります。(未見状態の私は2話ぐらいまで慣れませんでした)

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パッケージ

北米版ブルーレイ UN-GO
北米版ブルーレイ UN-GO
北米版ブルーレイ UN-GO
北米版ブルーレイ UN-GO

メニュー画面

北米版ブルーレイ UN-GO メニュー画面 Disc1
北米版ブルーレイ UN-GO メニュー画面 Disc2

仕様

国コード:無し
一般的なプレイヤーで再生可能です。

画像:1080p HD 16×9
テレビ、PCともに視聴に違和感は感じないレベルです。

音声:日本語/英語
メニュー画面で選択可能。

字幕:OFF可能
リモコンで切替可能

収録内容:2枚組で全話収録
ディスク1に本編1~8話。
ディスク2に本編9~11話+因果論と特典映像。

特典映像の内容は

  • 因果論+TVシリーズ全話イッキミ!UN-GOオールナイトトークショー
  • 「明治開化 安吾捕物帖」から「UN-GO」へ坂口安吾ゆかりの地を訪ねて
  • 因果日記
  • 少年期(歌:倉田由子 cv.戸松遥)※映像は因果論の映像(静止画)を組み合わせたもの
  • CM集
  • 因果論:別バージョンのオープニング
  • ノンテロップOP
  • ノンテロップED
  • 他作品紹介
    • ペルソナ4
    • 真剣で私に恋しなさい!
    • 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
    • 神様のメモ帳
    • 英雄伝説 空の軌跡
    • 境界線上のホライゾン

あらすじ、感想(ネタバレ含む)

episode:0 因果論

対テロ戦争による破壊の傷が生々しく残る東京。
そこに帰国した一人の青年。後に新十郎と呼ばれることになるこの青年の側には、謎めいた少年・因果がいた。

行くあてもない新十郎に、東京検察庁の虎山泉が接触してくる。

「きみ、大野妙心を知ってるよね?」
大野妙心とは、新興宗教『別天王会』の会師。彼は、現御神(あきつみかみ)を称する少女・別天王をまつりあげ、ヤミヨセという秘密儀式を行っていた。だが儀式の最中、信者が次々に黒い獣に襲われて死ぬという事件が発生。獣そのものの実在を証明できず、警察は殺人事件として立件できないでいた。

「大野妙心は、死んだ」新十郎は、そう告げる。

戦争が始まる前、新十郎はアジアのとある国で大野や学生時代の友人・世良田たちと行動をともにしていた。そこで彼らは反政府軍との紛争に巻き込まれ、その地獄絵図の中で、大野とその仲間たちは無残に命を落した。
唯一の生き残りが新十郎だったのだ。

新十郎と大野の因縁を知る、検察庁特別顧問にしてインフラ王海勝麟六は、新十郎にこの事件の謎を解かせようと企んでいた。大野に接触し、正体を暴かんとする新十郎。それは彼にとって過去の出来事を清算する意味もあった。
過去と現在が交錯し、真実を求める新十郎の前に、神をも超える力を持つという別天王が立ちふさがる。

それは新十郎と因果の出会いから始まる、敗戦探偵最初の事件——。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
因果論 感想 (本編ネタバレ含む)

この話は本編最終回で梨江に語った話の内容になります。
話自体は前日譚ですが、最終回から繋がる話でもあります。

死ぬのか…
すっかり忘れていた1話の冒頭。

「当てましょうか。夢は必ず叶う、ですよね」
車に書かれていた文字。主人公もかつて”誰かの為になる”という夢を持っていた。
これが本編2話の「必ず、夢は叶う。から」に繋がるかと思うと、あの苦笑いも理解できます。

「ミダマが…足りない…!」
因果との出会いは最低な始まりでした、新十郎の血で封印が解けたという解釈でいいのかな?ミダマと共に命も奪う力だったのですね。

「俺は、由子達の死を利用した者を決して許さない。あいつらは立派な犠牲者なんかじゃない」
これも本編5話に繋がるエピソードですね、彼女たちの犠牲と重なって新十郎を感情的にさせたのでしょうね。

本編では語られなかった新十郎の内面を知ることで本編をより楽しむことが出来るいい話でした。

第1話舞踏会の殺人 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “舞踏会殺人事件”」より

総合商社加納グループの加納信実(のぶざね)社長は、終戦後の復興特需に関して、不正の疑惑がかけられていた。逮捕も間近といわれる中、加納は自らの嫌疑を晴らすため自宅で盛大なパーティーを開く。
JJシステム会長・海勝麟六の娘・梨江が、検察庁連合調整部の虎山泉とともに専用エレベーターに乗ろうとした時、割り込んでくる2人がいた。一人は探偵の結城新十郎。推理では麟六に負け通しの「敗戦探偵」。そしてもう一人が新十郎といつも行動をともにしている少年・因果。彼らもまたパーティーの招待状を手にしていた。
加納の妻・敦子と言葉を交わす梨江。敦子は、検察によってかけられた夫・信実の嫌疑が晴らされることを強く望んでいた。アルコールを口にし、具合の悪くなった梨江。
梨江がトイレで休憩をしている間、広間の舞台では、加納信実が自らの潔白を証明する演説を始めようとしていた。が、喋り始めようとした瞬間、信実はよろめき倒れる。その背中には1本のナイフがあった……。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
1話 感想

アバンでのシーンは後々分かるのでしょうか、今のところ謎だらけですね。

公式ページのあらすじに相関図があったので推理物として視聴していましたが、SF要素のある因果の存在でこの話は推理物ではない事が分かりました。
一つとはいえ必ず自白させることが出来るのは反則ですね。

テロとの戦いで国の為に尽力した信実に対して不正という汚名を被せて終わらせるのはあまりに不憫だからという殺害理由ですが、本人は弁明する為にパーティーを開いてる事を考えると信実の名誉というより、犯罪者の妻という汚名を逃れる為の敦子のエゴなのではと思ってしまいます。
しかし、一瞬信実が苦悩しているカットがあったので見えないところでもっと苦しんでいたのかも知れませんね。

1話完結で終わってしまったので、この作品は各話別々の考えさせられるテーマを見ていくものなるのでしょうか。

第2話無情のうた 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “ああ無情”」より

海勝のもとに虎山がまた不可解な事件を持ち込んだ。無認可タクシーが正体不明の女に配達を頼まれ、あるお屋敷を訪ねて、トランクを引き取った。運転手がトランクをあけたところ、トランクの中にあったのは、そのお屋敷の主・投資家の長田久子本人の死体だった。トランクを屋敷の門番に預けたのはこれまた謎の男。海勝は、これはグループの犯罪に見せかけた単独犯の犯行と推理、捜査線上に浮かんだ容疑者・荒巻の捜索が始まる。
その数日後、新十郎は長田久子の娘、長田安と出会う。海勝の推理で浮上した容疑者は、真犯人ではないという安。母・久子はずっと以前から脅迫され、毎月品川のホテルにお金を届けていたという。
脅迫犯について「もしかしたら夜長姫の……」と気になる言葉を漏らす安。夜長姫とは、一世を風靡した国民的アイドル。彼女たちは日本の海外出兵をきっかけとする報復テロに対し、徹底抗戦を歌った“戦時下”のカリスマだった。だが終戦後は、その内容故に彼女たちの歌は、検察庁連合調整部によって放送・発売禁止となっていた。
謎の殺人と放送禁止アイドルを繋ぐ線とは何か。捜査を始めた新十郎の見たものとは。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。

2話 感想

前回の話だと敗戦国のはずだが、娯楽でこれだけ行列を作る余裕はあるらしい。
テロに屈した国だからもっとコテンパンにやられているものだと思いました。

「もの売るってレベルじゃねぇぞ、オイ!」
放映当時でももう5年は経過しているが、反応してくれた人はいたのだろうか…。

梨江の部屋着ダサいよ。
へそが描かれているのが余計に拍車をかける。

「荒巻のおじさんは犯人じゃありません」
麟六さんヘッポコすぎるよ!いや、まだ決まってはいないけど。

「教えて?何て聞けばいい?」
因果の凶暴性が見えたシーン。相棒というより協力関係ですね、それもかなり危うい感じの。

麟六さんはヘッポコじゃなくて、筋書通りに国を動かす脚本家だったんですね。
2話でようやく理解できた。

今回のの行動は前回よりは理解できる。
判断がつかない子供の内に国の片棒を担がせられて、いざ夢をかなえる為に活動したら表舞台に出られなくなっていたのはあんまりな話です。

新十郎が真相を暴くのをためらったのも納得する。
夜長姫のメンバーを陥れようといた事は許されませんが、久子に対する接し方はあまりにも身勝手で、逆上されても仕方が無いでしょう。

拡散されるの歌声は彼女にとって救いになるのでしょうか。
正体が分からないなら、声が似てるだけの別人で押し切れないのかなとか思ったりします。

第3話覆面屋敷 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “覆面屋敷”“万引一家”」より

戦争で荒廃した西新宿。立ち入り制限地域の倒壊したビルの一画に住み着く人々がいた。馴染みの女のスマートフォンの回線状況を調べている新十郎。そこに梨江がある事件を携えて訪れる。スマートフォンの回線回復を条件に梨江の事件の解決に当たることになる。
死んだのは佐々風守。
父親、佐々駒守は人工知性の研究者で天才と呼ばれていたが戦時中の7年前、新情報拡散防止法により強制捜査を受け、そのさなかの爆発事故で死亡した。
風守は、駒守がある日突然、遠縁の子供といって連れてきた養子。駒守と同様、風守は当主のならわしとして覆面で顔を隠していた。駒守の死後、財産や会社も風守が相続したが、実質的には駒守の弟、木々彦が実権を握っていた。
今回、風守もまた爆死したため、佐々家の人々の間では家にかかった呪いではないかと不安が広がる。果たして死因は、呪いか、自殺か、他殺か……。
新十郎が状況を把握したころ、虎山泉が現れ海勝の推理を関係者に披露する。新十郎は、海勝の推理を覆す真実を見つけられるか。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
3話 感想

「今日は兄貴の命日…呪いか」
みんな冷静だなぁ。

「人前では常に覆面を被る変人だったとか」
このビジュアルは間違いなく変人。

首にしゃべらせている時点で風守の正体はある程度予測はついていたものの、1話完結という思い込みでちょっとびっくりした。
(^^;;バレちゃった・・・・・w
で終わらされたらたまりません。

第4話素顔の家 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “覆面屋敷”“万引一家”」より

先代の佐々駒守は、人工知性の研究者としてREAL AI ―R.A.I― と呼ばれる画期的な人工知能を開発していた。だがそれは7年前に新情報拡散防止法に抵触するとして禁忌の技術として葬り去られた。佐々駒守は爆死し、佐々家の家督は、養子の風守へと譲られた。
そして、今度起きたのは、佐々風守の爆死。彼は何故死ななくてはならなかったのか。梨江に呼ばれて事件に関わることになった新十郎は、佐々家の中で密かに隠されていた思わぬ真実を明らかにする。
だが、真実が明らかになっても解けない謎が残った。佐々家を辞した新十郎と因果を追いかけてくる軍指揮下の公共保安隊。それは新十郎が疑問に思っていた、“ある事”への大事な回答となった。
「ご苦労さん……これでやっとわかった」
かくして物語の舞台は、再び佐々家へと戻る。虎山も姿を見せ、佐々風守の死を巡る予想だにしなかった犯人が現れる。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
4話 感想

真顔で冷蔵庫に手錠をかけるのはとてもシュールですね。

「人間というのは誰でも多かれ少なかれ、自分にとって美しいものや楽しいことをとことん求める。それを人間相手に発揮したら犯罪だ。だけど相手はロボットなんだ。それで誰が傷つく? 気持ち悪いなんて言うのは、自分の欲望を認められない奴の戯れ言だ」
しかし自分の世界を守るという欲望を求めるあまり人間相手に発揮してしまう。

「誰も傷つけたくなかった!僕のR.A.Iが戦争なんかに使われたら敵も味方ももっと多くの犠牲者が出ただろう!そんなのは嫌だったんだ!」
傷つける事をさせるのを拒んでいたはずなのに、R.A.Iである英信を使って人を殺した。
そのうえ、それらの殺人は全て風守のせいだと言う。
風守に真実を告げられたあとの駒守の激昂は自らの言葉の矛盾を認めた事にほかならない。

第5話幻の像 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “幻の塔”」より

戦時中、日本を狙うテロリストとの徹底抗戦を謳う政治結社「日輪の会」の決起集会が開かれた。その会場に爆弾を積んだトラックが突入するテロが発生。主宰の衆議院議員・島田白朗と会場にいた聴衆を守るため、名もなき三人の学生が、トラックを安全なところまで遠ざけ、爆死した。そして終戦を迎え、三人の存在はタブーとなって人の口に上ることはなくなった。
島田白朗から招かれ、三人の学生を讃えるブロンズ像の除幕式に立ち会う新十郎。会場の外には、島田の元ボディーガードだったという山本正信が、島田の不正蓄財を糾弾するため抗議行動を繰り広げていた。
喧噪の中、新十郎の心は晴れない。新十郎は、会場で、島田の息子で俳優の爾朗、そしてブロンズ像の作者である平戸葉子と知り合いになる。
気が付くと、ブロンズ像から血がにじみ出ている。ブロンズ像の中には空洞があり、死体が2つ収められていたのだ。死体はどちらも山本の配下だった男たち。どうして二人はブロンズ像の中に入ったのか。
「面白いことになったようだね」
除幕式の様子をモニターしていた海勝がつぶやく。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
5話 感想

今回のテーマは人間は人の為に自らを犠牲に出来るのかという事ですね。

「こんな娘に殺されるほどヤワなのか!お前の所は!」
後で見返すと笑える。

爆弾テロから身を挺して防いだ3人の若者の話を美談にして利用する島田白朗
それに対して反感を覚える新十郎
「俺は知っている。戦場にあるのはむなしい死だ、美談なんかじゃない。英雄もいない」
思想の違いから感情的に白朗が犯人だと決めつけてたのでしょうね。爾朗の口から出た意外な真相に驚きの顔を隠せていませんでした。

「だが彼らは死んだ。大勢の命を救うために。それ以外に何が必要なんだ。あるいは彼らは死に怯え、恋人の名を呼び、小便でも漏らしたかもしれん。だが、アクセルから足を離したか? 人は誰でも生きたいと願う。当然だ。しかしあの一瞬彼らは、そこにいる大勢を救うことを選んだのだ。逃げようと思えばできた。だがしなかった。私は彼らの無償の心を信じ、それを英雄譚として語り継ぎたいと心底願っている」
この言葉に対して反論できなかった新十郎、強制されたとしても逃げずにみんなの命を守った事実まで否定する事は出来なかったのでしょう。

「あなたは、因果に人を殺させないために、代わりにミダマ、真実を与えると条件にしたそうですね。でもそれは、こいつに取り憑かれることだと分かり切っていた」
ここで因果との関係に関して触れられます。
因果の暴走を食い止めるために新十郎は協力関係を取っているという事ですね。
風守はこの行動こそ自分が否定していた自己犠牲にほかならないのでは?と新十郎に問いかけます。
尻尾フリフリかわいい。

最後に新十郎白朗に言います。
「人は他人のために命を捨てられることもある。だからといって俺やあんたが偉いわけじゃない。偉いのは、美しいのは…死んだ彼らだけだ! 俺達は卑小で、愚かで、猥雑で。この地面に這いつくばって必死に生きている。それだけだ」
自己犠牲が美しいのは死んだ人間にのみ向けられるもので、生きている自分たちが彼らに重ねて正当化の道具にしてはいけない。という事でしょうか。

第6話あまりにも簡単な暗号 坂口安吾「アンゴウ」より

新十郎のもとを民間刑務所を出たばかりの男が訪れる。男の名は矢島。政治犯として3年間を刑務所で過ごしたが、もともとは評論家で、海勝とは古い友人だという。矢島が依頼したのは暗号解読。自分が手に入れた海勝の蔵書の中に、何故か矢島特注の原稿用紙が挟み込まれており、そこには謎の数字の羅列が書かれていたという。新十郎があっさりと解いた暗号の内容は、待ちあわせの指示だった。では、誰と誰が会うための暗号だったのか。実は矢島には一つ心あたりがあった。矢島の服役中に、妻のタカ子と海勝が情を通じたのではないか。暗号は2人が密会するためのものではなかったのか。この疑惑は静かに新十郎や、事件に関わることになった梨江の胸中にも広がっていく。もし海勝と矢島の妻が関係を持っていたとすると、ある日突然行方不明になったという矢島夫妻子の子供たちの行方は一体……。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。

6話 感想

「君は私に選ばれたのだ、この世界最後の名探偵として!」
この小説家は最後まで新十郎の邪魔をしそうですね。なんか後ろにいるし。

「一つだけ聞こう。君が真実を明かすのは何のためだ」
「真実は常に一つだろうか…」

真実を見つけ出す危うさというか、新十郎のやり方に疑問を問いかける回でした。
因果タカ子への問いかけをさせてしまうと、タカ子は子供を殺したと思い込んでいるから子供の殺人疑惑が決定的になってしまいます。
小説家の筋書きに囚われず、真相にたどり着けたのは麟六でした。
事件に直接関わる立ち位置だったからというのもあったのでしょうが、いつも真実に蓋をする側の麟六が真実を明かすのは”探偵という役割”が果たせる限界を象徴するエピソードだったのかなと思います。

第7話ハクチユウム 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “愚妖”」「白痴」より

結城新十郎、職業・映画カメラマン。現在彼が撮影している『白痴たち』は、監督の三高吉太郎にやる気がなく、新十郎は自主的にカメラを回し続けている。カメラの先には主演の3人の少女、紗代、寿美恵、素子がいた。物語の舞台は、戦争に巻き込まれた現代の日本。それぞれ別の場所から逃げてきた3人の少女が、一人の男に愛され、半壊した家の押入に住んでいるという設定だ。カメラを回しながら、新十郎の頭の中に声が響く。「謎を解け」。だが、新十郎の目の前には解くべき謎は見つからない。そして映画の撮影は続き、撮影の合間に紗代はつぶやく。「戦争なんて、起こってない。誰も大切な人を亡くしたり、家を焼かれたりしない、悲しい思いなんてしていない……だから映画も撮れるんですよね」。新十郎は3人の映画への思いを大切にしたいと感じていた。そんなある日、三高監督が殺される。監督と最後に会った人物は新十郎。犯人は新十郎なのか。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
7話 感想

幻覚を見せられたのでしょうか。
それとも小説家の後ろにいた者の能力でしょうか、小説は現実に書くと言ってましたし。

第8話楽園の王 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “愚妖”」「選挙殺人事件」より

新十郎が消えた。風守は新十郎の気配を求めてネットへ潜る。厚い障壁に阻まれながらもついに風守が見つけた新十郎は、民間刑務所「東関東社会復帰促進センター」の中にいた。新十郎は、かつての事件に関係して“小説家”を名乗る犯罪者に面会するためその民間刑務所を訪れ、そこで消息を絶っていたのだった。確かに刑務所の監視カメラには、謎の行動をとる新十郎が確かに映し出されていた。新十郎はなぜ収監されたのか? 新十郎の行方は、梨江を通じて麟六、虎山、速水の知るところとなった。刑務所に乗り込もうとする虎山に、自分もついていく行くと強引に主張する梨江。刑務所に到着した2人は面会室でまず、新十郎が会おうとした“小説家”に会った。新十郎救出作戦はスタートしたが、果たして作戦は成功するのか。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
8話 感想

「あの小説家、ラノベは書けないな」
さんノリノリですね、正気に戻ったあと顔が赤いのが笑えます。

「わぁー怖ーい(棒読み)」
風守大活躍ですね、わずらわしいお嬢様刑事をあっさり撃退。

「僕はね、ともかく、もうちょっと残りますよ。僕は逃げたいが逃げられないのだ。命のとことんのところで、自分の姿を見つめ得る機会には」
言葉の意味はよくわからなかったのですが、虚構の世界に逃げずに現実世界であらがい続けるという事でしょうか。

「結城新十郎に解けない謎はないのよ。たとえ自分の血をいくら流しても、彼は、必ず真実を、ミダマを私に捧げる」
新十郎に対しての絶対的な信頼を感じます、彼女が何者か最後にはわかるのでしょうか。

小説家の思惑は外れて事件は解決したのですが、このまま虚構の世界から出られなければ事件は延々と続いて犠牲者が出続けたのでしょうか。
人間を玩具にする小説家は許されません。

第9話海勝麟六の犯罪 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “冷笑鬼”“赤罠”」より

フルサークルを名乗るハッカー集団がJJシステムズに標的を定め攻撃を始めた。フルサークルはJJシステムの社内資料を流出させ、海勝麟六のプライベートも暴露する。そんな逆風の中、海勝がTVの討論番組に出演することになった。番組の共演者は海勝に批判的な政治家、ライバル企業経営者、暴露本を書いた評論家たち。フルサークルは「海勝が自分に敵対するものを集めて殺害するつもりだ」という情報をネットでばらまく。そして、番組がスタートした直後、TV局で大爆発が発生した。出演者を含み、死者行方不明者8人。海勝もまた重傷を追い、病院に収容される。世間は、海勝こそ真犯人だと噂する。別天王の行方を追っていた新十郎を病院に呼び出した梨江は、海勝の無実を証明してほしいと依頼する。「このオレが海勝の無実を明かすことになるとはね」。新十郎の捜査が始まる。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
9話 感想

「意外だなぁ、かわいいお人形とおしゃべりなんて。誰かからのプレゼント?」
常に人形をはべらせる探偵。確かに知らない人からみたらヤバい人ですね。

「人は、真実は隠されていると考えがちだ。そして自分だけは、その真実に辿りつけると信じる者がいる。だが、真実など無数にある。たった一つの真実で満足するのはそこで考えるのを止めることに過ぎない、…のではないでしょうか」
珍しく眉をひそめる麟六
断言しかけたものをとっさに問いかけに切り替えたのは、”たった一つの真実”を押し付けそうになったのを理性で抑えたのでしょうね。
感情の高ぶりとあくまで理性的に振る舞う麟六を表現したいい演出ですね。

第10話海勝麟六の葬送 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “冷笑鬼”“赤罠”」より

因果が姿を消した。だが、新十郎は一人で真実を求め続ける。TV局爆破事件を調べるうちに、海勝が別天王を使っていると疑う新十郎は、真実を明らかにするため、一計を案じる。予算委員会で行われる海勝の参考人招致。病院からの生中継音声に細工をすれば、言葉で人を操る別天王の力は封じることができるはずだ。厳しい追及を難なく退けた海勝は言う。「真実など無数にある。一つの真実で満足するのは、そこで考えるのを止めるにすぎない」。その言葉に怒りを感じた新十郎は思わず海勝を問いただし、切り札として梨江に証言を求める。梨江は語る。「TV局が爆発した直後、私は自宅で父を見ました」。TV局の海勝は、別天王が生み出した幻だったのか。そこに因果が姿を現す。因果が真実を語るようにと迫るのは、思わぬ人物だった。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
10話 感想

カッターで口開いちゃったけど、痛くないのかな。

そして死んだはずの麟六からの招待状。
物語は終盤に向かいます。

第11話私はただ探している 坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 “冷笑鬼”“赤罠”」「余はベンメイす」より

新十郎たち関係者の手元に届けられた謎の招待状。「爆破事件の真犯人を明かすパーティーにご招待します」。そこに記されたのは「麟」の一文字。爆破事件の現場となったテレビスタジオに関係者が集められる。またこんな茶番を仕掛けたのかと怒る泉に、新十郎は答える。「私も呼ばれたんですよ。つまり、なにか事件が起きるってことだ、大事件がね」。爆破事件は海勝の陰謀だったのか。新十郎、最後の推理が始まる。そして、因果と別天王の正体と対決。すべてが明らかになった時、新十郎、因果、梨江の関係は……。

2011年10月ノイタミナ枠アニメ「UN-GO」公式サイト。
11話 感想

「新十郎、もう限界だよ」
久しぶりに見た因果の限界状態、体がひび割れるぐらい枯渇した状態は初めてですね。

「私も呼ばれたんですよ。つまり、何か事件が起こるという事ですよ。大事件がね」
1話と同じセリフを言う新十郎。クライマックスって感じです。

そして明かされる真実。これまでにない複雑な事件でしたが、新十郎の読み通りに真犯人は動いてしまい正体を現します。

「お前が何をされたかは分かっている。別天王は神だから逆らえない、とでも言われたのだろう。その言葉、否定してやる。別天王は神などではない!」

 「人間から神を取り去ることはできない。だが、神とされるものに”ぬかづく”事によって、それを神たらしめ、人民に押し付けることは可能だ」

「貴方にとって海勝はまるで…神だ。」

神という言葉が頻繁に出てくる最終話。
憧れを神という言葉で表現し、自ら神になろうとした真犯人。
しかし、その存在は否定される。神を神たらしめるシステムの崩壊によって。
「あいつは、出来損ないのミダマ。またの名をコトダマ」

まとめ

まとめサイトなどの感想も見ましたが、本編序盤はつまらないという感想が多かったのに話が進むにつれて面白いという感想がどんどん増えてきていたのが印象的でした。マスコット的な存在である風守の功績は大きいです。

推理物としてでなく、荒廃した世界の中での人間模様を描いた物語として観ると面白い作品だと思います。(ミステリー要素はほぼ無いです)

UN-GO アンゴ■北米版ブルーレイ■全11話収録 BD-BOX

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